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心が動いた時に書くブログ

うめだりゅうじ氏の卒業制作アニメをついに観た

YouTubeを散策していたら、うめだりゅうじ氏のアニメがあって、びっくりしてしまった。


自主制作アニメ 卒業制作アニメ 「空を飛んだ日に」

【参考】WEBアニメスタイル:アニメの作画を語ろう animator interview うつのみやさとる(2)

小黒 その、うめださんというのは?
うつのみや テレコムの8期生だった人で、もうアニメはやっていないんですけど。なんて言えばいいのかな、彼こそ天才だと思うんですよ。「天才」って軽々しく使っちゃいけない言葉なんですけど、彼は紛れもなく天才だったと思います。19歳の専門学校生の時に作った卒業制作を見て驚いて、その後、実際に友達と一緒に彼の実家にお邪魔して、原画を見せてもらったんです。その時に、月岡さんのパラパラ漫画と同じぐらいのショックを受けたんです。どうして、彼がああいう原画が描けたのか、未だに謎なんですけど。 

  2000年に『WEBアニメスタイル』のうつのみやさとる氏インタビューを読んで、「そういうアニメがあるのか!」と興味を持ったものの、「販売されている訳でもない、個人の卒業制作のアニメって、視聴難易度メチャクチャ高いなー」と思っていた。
 それがまさかYouTubeで観られる日が来るとは……。ご本人がアップしたビデオなのかな? 僕が観た時は、再生回数20回だったから、ひっそりとアップされていたのだろう。
 ときどき「凄さ」が語られるけど、実際に目にするのは難しい伝説のアニメだったので、観ることができて良かった。 

 

【参考】柳沼和良さんの同人誌『月夜の晩に』に収録したインタビューの際にも、話題に上がった。

―― 当時、アニメーターとして、意識して特に力を入れていた事はありますか? こういうのを見せたいとか。他の人よりもこうしたいとか。
柳沼 俺は、梅田りゅうじ君みたいになりたかったんです。梅田君のモドキをやりたかったんだけど、なかなかできなくて。

(略)

―― 梅田りゅうじさんは、どんな方だったんですか?
柳沼 俺がテレコムを辞めて『王立(宇宙軍)』でガイナに入ってる頃に、青山(浩行)から「柳沼、凄いのが入ったから、一緒にショック受けようぜ(笑)。ちょっとテレコムに遊びに来いや」って電話が掛かってきて。それで、梅田君のビデオを観に行ってショックを受けたんですよ。そのビデオを貞本さんと飯田さんに見せたら、2人もショック受けてた(笑)。貞本さんが「どしぇ~!! 天才ー!」とか言ってて、飯田さんはニヤニヤしながら「いや~、もう凄いねえ~」って。俺も「凄い天才だなあ……」と思って、ちょっと呆れたんです、巧すぎて。で、「ガイナックスに遊びに来い!テレコム辞めて、こっちに来い!」なんて話もしたんだけど(笑)。まあ、挨拶だけしてビデオを置いて帰っちゃって。そのビデオを金井次郎君と、『(ああっ)女神さまっ』のキャラデザになる松原(秀典)君が「コピーさせてくださいっ!」って言ってきたり(笑)。それで、梅田君のビデオを、(田中)達之と、うつのみやさんにも見せたんだけど、もの凄く巧いのは分かるけど、ライブアクションっぽいから、やっぱり疑問もあったみたい。でも、そのあと、梅田君がアニメーションを辞めるという噂があったんで「止めに行かなきゃ!」っていうツアーがあって(笑)。
―― ツアー(笑)。それは、いつ頃の話なんですか?
柳沼 『御先祖様(万々歳!)』のお話が来てて、準備をぼちぼち始めようかっていう頃です。梅田君のアパートに3人で遊びに行ったんですよ。「田舎に帰る前に、作品を見せてくれ」って。そしたら、あの2人呆けちゃって(笑)。俺は、最初から天才だと思ってたんです。空前絶後の天才だと思ってたんだけど、あの2人、原画を見たら、そのポテンシャルの違いにショックを受けてて(笑)。例えば、井上さんとかって、画を立体で回転させるのが、もの凄く巧いじゃないですか。それと、最近の若い人達は、ポーズがリアルでいい感じっていうのがあるんだけど、梅田君は両方とも完璧にできてたんですよね。ティンカー・ベルみたいな妖精が出てくる作品があったんだけど、息を吸う感じとかが凄く上手く出ていて。リアルなんだけど、いい感じっていうのがあった。さらに、梅田君がテレコムの動画養成期間中に描いた、テストのアニメも観たんだけど。コナンみたいなキャラクターが大きな箱から降りるというカットを描いてて、「こんな画を入れるんだあ」みたいな感動があったんです。もう絶妙で!普通、アニメーターが原画をめくると「この次はこういう画だろう、その次はこういう画だろう」って、大体想像つくんですよ。予想よりいい画が入ってたりすると「おおっ!」とか思うんだけど、もう、そればっかり! で、俺より温度が低かった達之と、うつのみやさんも呆けちゃって(笑)。それまで、うつのみやさんは『(SF新世紀)レンズマン』みたいな動かし方だったんですよ。原画を描いて、その中に(動画を)中2枚の2コマ で入れて、おもいっきり片方に(タイミングを)詰めてたんですけど。梅田君は要するに、動・原画込みで全部原画描いてるんです。だから全然違っていて。
―― 動・原画込みと言いますと?
柳沼 つまり、一回全部の動きのスケッチをして、自分で観察して、もう一回方法論を作っちゃってたんです。基本を解体しちゃってた。芸術にしろ、音楽にしろ、なんでもいいけど、一回パンク・ムーブメントみたいな事があって、それまで構築してたものを、いきなりブチ壊しちゃう。そうすると、また新しいものが出てくるんです。梅田君は、まさにそれ。それで、うつのみやさんと(原画の描き方で)議論があったんだけど、帰る時に、うつのみやさんが後ろで、ぼそっと「やぎちゃん、原画で全部描かないとダメかもね」って(笑)。だから、それが『御先祖様』でスケジュールを遅らせる大騒ぎに繋がったのかも……(笑)。

―― 梅田さんの影響が、『御先祖様』に出てしまった?
柳沼 かも。うつのみやさんが、『魔神伝』のアクションシーンでブレイクしたあと、『御先祖様』で、また違う感じでブレイクしたっていうのは、梅田君ショックがあったのかも? それで、梅田君も、うつのみやさんの画を見てから、漫画の同人誌を2冊出してるんですけど、うつのみやさんの影響を受けてるんですよ。
―― お互いに影響を受けたわけですね。
柳沼 うん。やっぱり、何かしら掴むところがあったんでしょうね。うつのみやさんの画って、立体で上手く回転させられるような画になってるから。梅田君自身も、ハッと気付いたところがあったんじゃないかな。